予防歯科
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水道水フロリデーション(水道水フッ素むし歯予防)
フロリデーション
自然から学んだ
むし歯予防
フッ素のむし歯に対する予防効果や安全性については、WHO(世界保健機関)をはじめとする世界中の専門機関の見解や世界60か国以上で実施されている事実、また、60年以上にわたり行われてきた実績に基づいています。
先進国である日本が米国から60年以上も遅れているのは、かつて日本が急成長したことにあります。
日本の急成長期には、むし歯罹患者も急増しました。そのため、「むし歯予防」という認識は薄く、「治療第一」という意識が人々の中に強く定着してしまったのです。学校などでも「予防」よりも「早期発見、早期治療」という意識が大きかったのです。
現在、むし歯は予防できるものという認識になってきています。
フッ化物によるむし歯予防は、国内外で150以上の保健関連団体が推奨しています。
しかし、生命に係わる訳でもなく単にむし歯の予防というだけで、水道水フロリデーション(水道水フッ素むし歯予防)の水は飲みたくないというご意見をお持ちの方も、まだ大勢いらっしゃいます。
水道水フロリデーションは、その有効性、安全性の観点から、1969年以来、計3回、WHO総会推進決議で、採択されています。また、厚生労働省は、水道水へのフッ化物添加を含めフッ化物応用については厚生科学研究の進展を見守りながら、検討していく課題であるとし、フッ化物を利用したむし歯予防法を推奨しています。
フッ化物によるむし歯予防を推奨している国内の専門機関
厚生労働省
日本歯科医師会
日本口腔衛生学会
日本歯科医学会
フロリデーションを推奨している世界の専門機関
世界保健機構(WHO)
アメリカ歯科医師会
国際歯科連盟(FDI)
英国歯科医師会
食品医薬品局(FDA)
カナダ歯科医師会
国際歯学研究会(IADR)
インディアン保健局
全米保健機構(PAHO)
アメリカ環境庁(EPA)
その他多数の保健関連機関
水道水フロリデーションは、むし歯予防を目的に水道水中に含まれるフッ化物濃度を0.8ppm程度に調整することで、一般的には、「フッ化物濃度調整法」と呼ばれています。
※(ppmは、100万分の1を表す微小含有量の単位)
フロリデーション
フロリデーションに対する国内外の主な専門機関の見解
(1) 国際歯科連盟(FDI)の見解
国際歯科連盟(FDI)は、1964 年カリフォルニア州サンフランシスコにおいて開催された第52
回年次総会において、フロリデーション推奨決議を採択した。その内容は以下のとおりである。
1.歯牙う蝕症は全身的健康を阻害し、疼痛を誘発して、全世界の大多数の人が罹患する疾病である。
2.WHO、各国政府及び科学専門諸団体より招集された専門委員会によって、う蝕抑制手段とし
てのフロリデーションの安全性、効果及び実用性に関する科学的根拠が検討され、承認された。
3.過去30 年間にわたる経年的観察研究の結果、フロリデーションがう蝕抑制に対して最も効果的
かつ、廉価な方法であることが確認された。したがって、以下の如く決議する。
フロリデーションは、う蝕症の発生を安全かつ経済的に抑制する手段として、現状においては
最も有効な公衆衛生学的施策であることを、すべての関係当局に推薦すべきことを決議する。
また、FDIは「フッ化物とう蝕」(2001 年)において、フロリデーションについて「水道水からのフッ化物供給は、給水系が整備されている地域では、う蝕予防の最も効果的な公的な健康増進の手段であります。水は誰もが必要でかつ使用する食事成分のひとつであり、それで地域の全ての人々に利益をもたらすからです。この方法の運用上の唯一の制約としては、信頼でき、かつ調整可能な給水路があることです。つまり、常に集中管理された水道があることを意味しています。」と述べている。
(2) 世界保健機関(WHO)の見解
世界保健機関(WHO)は、1969 年、米国ボストン市で開催された第22 回総会において、フロリデーション実施勧告決議を満場一致で決め、加盟国に対して「フロリデーションを検討し、実行可能な場合にはこれを導入すること、不可能な場合にはフッ化物の他の応用方法を検討すること」を趣旨とする勧告を行っている。その時、日本はその決議案の共同提案国だった。その後も、1975年と1978 年にも、WHOは同様の決議を行い、一貫してフロリデーションの実施を推進してきた。
WHOの専門委員会報告「フッ化物と口腔保健」(1994 年)によれば、「上水道が整備されている地域では、フロリデーションが地域住民全体への最も有効な方法であり、個人的または積極的な意思を必要とせずにすべての社会階級の人々が利益を得られることになる。フロリデーションは、国際歯科連盟(FDI)、国際歯科研究学会(IADR)、世界保健機関(WHO)など、150を越える学術および健康に関連する組織団体から推奨されている。」と述べ、「地域におけるフロリデーションは安全かつ経済的であり、社会的に受け入れられる実施可能なところでは導入と継続が望まれる」と結論している。
(3) 日本歯科医師会の見解
日本歯科医師会は、1971 年に「フッ化物に対する基本的見解」を発表し、以下のように結論している。
「フッ化物による局所的う蝕予防メカニズムで最も重要な点がエナメル質表層および歯垢中の至適濃度以上のフッ素によるものであることを考えれば、飲料水中フッ化物添加が最も有用性のあることが考えられ、次いで他の全身的応用法が挙げられよう。局所応用法については、なるべく多回数あるいは規則的に、しかも安全に応用しうるものが理論的にも有効性が強くなるであろうことが考えられる。
もしも、全身および局所応用法が併用されれば、その効果は一層増大されよう。
いずれにしても、現在、フッ化物応用にまさるう蝕予防手段の存在しない事実からして、フッ化物によるう蝕予防の推進こそが、現時点における最良の方法であるといえよう。」
さらに、2000 年12 月には、「フッ化物応用(水道水へのフッ化物添加)に関する見解」を発表し、「日本歯科医師会は水道水フッ化物添加が、各種フッ化物応用の中で、有効性、安全性、至便性、経済性等に対する、公衆衛生的に優れた方法であると認識するが、水道水への添加という手段の性格上、これらの実施は、最終的には、地方自治体の問題であり、その経過においては、地域の歯科医師会をはじめとする関連専門団体、地域住民との合意が前提であると考える。」と結論している。
(4) 日本歯科医学会の見解
日本歯科医学会(医療環境問題検討委員会フッ化物検討部会)は、1999 年に答申した「フッ化物応用のための総合的な見解」において、水道水フッ化物添加法を優れた地域保健施策として位置づけ、「国民の口腔保健向上のためのう蝕予防を目的としたフッ化物応用を推奨する。」と結論している。
(5) 日本口腔衛生学会の見解」
日本口腔衛生学会は、日本歯科医師会の「フッ化物に対する基本的な見解」(1971 年)を支持し、1972 年に水道水フッ化物添加法の推進を表明した。1982 年には「う蝕予防プログラムのためのフッ化物応用に対する見解」を公表した。
2002 年9 月、「今後のわが国における望ましいフッ化物応用への学術的支援」を発表し、「21世紀のわが国における国民の口腔保健の向上を図るため、専門学術団体として、フッ化物局所応用及び、水道水フッ化物添加法を推奨するとともに、それらへ学術的支援を行うことを表明いたします。」と述べている。
(6) 厚生労働省の見解
2000 年11 月、厚生省(現厚生労働省)が、「自治体から、水道水質基準内でのフッ化物添加について技術支援要請があれば、水道事業者、水道利用者、地元歯科医師会等の理解等を前提に、厚生科学研究の成果を活用する等により歯科保健行政の一環として応じてまいりたい。」と技術支援をすることを表明した。
ペイ フロリデーション フォワード運動
ペイ フォワード運動 「世の中を変えるためにだれか3人によいことをしよう。そして見返しはいらないから、あなたも次の3人に何かいいことをしてあげて。」 それは社会科の授業で出された「世の中を変える方法を考え、それを実行しよう!」という宿題への、12歳のトレバー少年が考えた答えでした。
「僕が3人に何かいいことをする。その3人がお返しをしたいといったら、僕ではなくてそれぞれ次の別の3人に何かよいことをしてあげるように頼むんだ。そうしたら、3人が9人になり9人が27人になり、どんどん増えていってあっという間に、世界中の人たちがいいことをされるようになるんだ」 しかし、この計画は、なかなか思うようには進まず、とてもいらだちをおぼえますが、そこは映画の世界で、最後には思わぬ展開に。
さて、我々の世界は色々なしがらみなどで、よいと思うこともなかなか前に進まないことがあります。
私は、フロリデーションというむし歯予防方法は、ひょっとしたらこのペイ フォワードのストーリのような、よいことだけどなかなか前にすすまないことの一つに思えます。そして、それににもかかわらず、ぜひとも前に進めないといけない公衆衛生学的むし歯予防方法だとも思うのです。
そこで、私は、ペイ フロリデーション フォワード運動を考えました。
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