土曜日、日曜日での親知らずの抜歯、歯の移植、インプラント手術、口の中の出来物の手術、歯列矯正治療などを京都市、相楽郡、木津川市、奈良市の皆様に行なわさせていただいております。病院行く前にご相談ください。

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伝言メール

南出さま

確定申告終わりましたので僕も復帰します。[2010.3.15]
この編集画面は打ち込むのに時間がかかるので、一度Wardに移してから、編集します。
アップする前に連絡します。

岩城倫弘

岩城先生へ
ひと区切りつきましたので、復帰します。[2010.3.9]

岩城先生へ

あと1-2週間で、区切りがつきそうなので、もうしばらくお待たせいたします。[2010.3.9]

岩城先生へ

もう一章勉強してから、本格的に戻ってきます。

http://www.geocities.jp/newpublichealthmovement/8theepidemiologyofdentalcaries.html

教科書に関して、いいアイデアがわいたので、アイデアを忘れないうちに、ちょっとだけ編集しておきます。

南出さま

明けましておめでとうございます。

おもしろい論文ですね。教科書ですか?
貴方の(解説)もおもしろい。
まだじっくり読んでませんが、ニコに使いたい内容がたくさん含まれているように思えます。

僕も、確定申告まで、時間が少ないです。

岩城倫弘

もうちょっとで、区切りのつく勉強
http://www.geocities.jp/newpublichealthmovement/28cariescontrolforpopulations.html
があるので、区切りがついたら、復帰します。

今年もよろしく御願いします。

南出[2010.1.21]

明けましておめでとうございます。

クイントの新聞と確定申告が終われば本腰を入れるつもりです。

今年も宜しくお願いします。

岩城倫弘

上のナビ部分のリンクの横にもBookのボタンを作りました。

岩城倫弘 

半角の*印を最初につければそこが、見出しになり自動的にリンクさきの番号が付きます。りんくもとでは 半角の括弧で[[xxxxx>番号]]とかけばボタンと同じ役目になります。スタッフ紹介のところの編集画面を見て頂いたら解ると思います。ちなみに○章を作ってみました。

岩城倫弘

Introduction編

歯科公衆衛生を定義しなさい

歯科公衆衛生は、「社会の組織的努力を通じた、歯科疾病の予防、口腔の健康づくり、QOLの改善についての科学と実践である」と定義できるでしょう。 

これは、Sir Winslowという方による、公衆衛生の有名な定義に、ちょっと手を加えた定義なのですが、このwinslow先生の定義は世界中で人気があるし、WHOも採用していますし、もちろん僕も「いい定義だな、すばらしい定義だなぁ」と感じていますので、とりあえず最初はこの定義から覚えるのがいいと思い、ご紹介します。

この定義は、公衆衛生の試験をするとしたら、かならず出題したいので、是非まるごと覚えてほしいのですが、とりわけ重要なフレーズがあります。

歯科公衆衛生は、「<strong>社会の組織的努力</strong>を通じた、歯科疾病の予防、口腔の健康づくり、QOLの改善についての科学と実践である」と定義できるでしょう。 

この「社会の組織的努力」という部分が、それです。極端な状況を考えましょう。君たちが平均寿命20歳の地域に住んでいたとします。そこで、個人的になんらかの努力して一人だけ100歳まで生きて、何の価値があるのでしょうか。もちろん、個人的な努力を否定するのではありません。しかし「公衆衛生」は、そういう風には考えません。「みんなで100歳まで生きるために、社会全体で、組織だった形で、努力をしよう」この定義は、そういう公衆衛生の精神を端的に表現しています。

今日は、まず、この定義まるごと、とは言いませんので、<strong>社会の組織的努力</strong>この部分だけでもしっかりと覚えて帰ってもらいたいと思います。

臨床と公衆衛生活動の関係を説明できる

臨床と公衆衛生の各局面の対応 

臨床              公衆衛生

診査              ニーズの評価 
診断              資料の分析 
治療計画            計画の立案 
治療の説明と同意        倫理的承認と計画の承認
看護、治療と予防の適切な構成  計画の実行 
医療の支払い          財源の種類 
評価              評価と再調査 

Modified from Young and Striffler 1969. 

これは、臨床と公衆衛生のステップを比較した表です。左が臨床のステップ、右に公衆衛生のステップを示してあります。

もっとぶっちゃけていうと、左が個人を対象にした医療の手順、右が集団を対象にした医療の手順、と想定した方が、分かりやすいかもしれません。例えば1行目で、説明しますと、個人では「診査」にあたるステップは集団では「集団の診査」になりそうなところですが、それを公衆衛生の用語で「ニーズの評価」と呼ぶ、というそういう意味です。

ここで、もっとも注目していただきたいステップが臨床で「治療の説明と同意」いわゆる「インフォームドコンセント」は、公衆衛生では「倫理的承認と計画の承認」が対応している、という部分です。

臨床と公衆衛生の各局面の対応 

臨床              公衆衛生

診査              ニーズの評価 
診断              資料の分析 
治療計画            計画の立案 
<strong>治療の説明と同意        倫理的承認と計画の承認</strong>
手当てと治療と予防の包括的アプローチ  計画の実行 
医療の支払い          財源の種類 
評価              評価と再調査 

Modified from Young and Striffler 1969. 

インフォームドコンセントについては、専門書に譲りますが、簡単に「受診者の自立性を尊重する」ということにしましょう。では「集団の自立性の尊重」はどのように達成できるのでしょうか。

これが、臨床と公衆衛生、個人と集団の際立った性質の違いを、理解する上で、大切な基本部分である「倫理的承認と計画の承認」という概念です。

これは、具体的に表現すれば、公衆衛生つまり集団の意思決定は、国や地方自治体による承認、つまり「法令や条例」の通過が必要である。ということを示しています。

これこそ、臨床と公衆衛生の際立った性質の違いであり、また公衆衛生の定義にある「社会の組織的努力」を最も具体的に体現している部分であり、公衆衛生のもっとも挑戦的かつ難しい部分であるため、是非今日は、この「倫理的承認と計画の承認」という概念を覚えて帰ってもらいたいと思います。

公衆衛生的疾病の基準がわかる

・有病割合
・疾病の個人への影響
・疾病の社会への影響
・利用可能な(開発済みの)予防法や治療法があるか

順番に説明しましょう。

・<strong>有病割合</strong>
・疾病の個人への影響
・疾病の社会への影響
・利用可能な(開発済みの)予防法や治療法があるか

有病割合は、その疾病がどのくらい広まっているのか。ということです。例えば歯科は、極めて公衆衛生的対策が重要な疾病ですが、その根拠の一つが、この有病割合にあります。たとえば、虫歯は地域によっては、3歳児の有病割合で3割近くあり、全世代にわたり、より大きな有病割合を示しています。一方で、例えば、がんや心臓疾病は、若年者では1割には達しませんので、単に「有病割合」という指標からみると、虫歯の方が、ずっと公衆衛生的疾病、つまり「社会の組織的努力」を機能させるべき疾病である、という評価につながっています。

・有病割合
・<strong>疾病の個人への影響</strong>
・疾病の社会への影響
・利用可能な(開発済みの)予防法や治療法があるか

突然ですが、どんな疾病がいちばん、個人への影響が大きいと思いますか?ま、いろいろな答えがあると思います。どれが正解、という話ではないので、それぞれいい得ている部分があるとは思いますが、ここでは簡単に「死ぬ疾病」を、個人への影響が大きい疾病ということで、考えてみましょう。

公衆衛生とはなにか?

「公衆衛生」と言う言葉は一般の人たちには解りにくい。

初対面の人に「歯医者で公衆衛生を研究しています」と伝えると、「さすがは歯医者さんだ。口がくさいことも研究するんですね」と応えられたことがあります。あわてて「いやその口臭ではではなくて、大衆ですよ、大衆」と言うと、「あー、口だけじゃなくて、体全体の臭いを研究するんですね」と返され、「じゃなくて、公衆便所の公衆です」と説明すると、「へー、体だけじゃなくて、便所の臭いか何かも研究するんですか?」と怪訝そうにされたことがあります。このくらい、公衆衛生と言葉は学生も含めて一般の人たちにはわかりにくいのです。

公衆衛生の定義付け

このように解りにくい「公衆衛生」という言葉は、いったいどの様に定義されているのでしょうか。辞典によると公衆衛生   

では、同じように定義を探るなら、一般的な国語辞書を引いてみましょう。手元にある、「新解さんの謎」でそのユニークさが紹介された三省堂の新明解国語辞典によると「社会の人々が心を合わせて、病気から体を守り、健康になろうとすること」と書かれています。 なるほど、そういうことなのかと言うことが、ここで初めて理解できるのが、普通の人というものでしょう。

ですから公衆衛生(学)と聞けば、医学の中で解剖学や内科学、外科学といった難しいことを習得するイメージがありますが、筆者らの印象では、学問という言葉はさしあたり意識的に避けて、「公衆衛生はいわゆる学問ではなく、科学と実践である」と言いかえた方がより的確ように思えます。

では、これに歯科がついた歯科公衆衛生はどうでしょうか?

Essential dental public healthによると、「歯科公衆衛生は、社会の組織的努力を通じた、口腔疾病の予防、口腔の健康づくり、生活の質 (QOL) の向上の科学と実践である」と定義されています。そして「集団の口腔疾病の診断、それらの疾病の原因と影響の解明、効果的な介入の計画に関連すること」とも定義されています。また「歯科公衆衛生の実践」とは、「集団の口腔疾病と医療における課題の効果的な解決方法を創造し実施すること」と記載されています(Chappel et al. 1996)。

ですから、私たちは歯科分野の公衆衛生を理解するとともに、日頃の活動の一部とし、実践する必要があります。なぜならそれが人道的なことであり、また専門家としてリーダーシップをとるべきことであり、そして歯科医師法第一条にも「歯科医師は、歯科医療及び保健指導を掌ることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」と示されていることだからです。

歯科公衆衛生は、個人個人の治療とや指導などとはかけ離れて、集団の健康づくりを扱うため、地域社会単位での活動に焦点を絞ります。これは、個人単位で対応される臨床とは全く対照的ですが、しかしながら、個人単位の臨床と地域社会単位の公衆衛生のさまざま局面は、おおむね似ていることがTable 1.1から解ります。

Table 1.1 臨床と公衆衛生の各局面の対応 
臨床	             公衆衛生 
診査	            ニーズの評価 
診断	             資料の分析 
治療計画	         計画の立案 
治療の説明と同意	    倫理的承認と計画の承認 
看護、治療と予防の適切な構成	   計画の実行 
医療の支払い	         財源の種類 
評価	            評価と再調査 
Modified from Young and Striffler 1969. 

歯科公衆衛生は、口腔の健康に影響をもたらすさまざまな因子分析し、もっとも効果的な口腔疾病の予防と処置を導きそれを実践し、歯科に関わる他の専門職に広い視野と深い理解をもたらす、幅広い学問です。そのため、歯科公衆衛生は、その価値と関連性は深くさまざまな関連した分野と科学により裏打ちされています (Box 1.1) 。

Box 1.1 歯科公衆衛生を支える、科学と分野 
● 疫学 
● 健康づくり 
● 医学統計学 
● 社会学と心理学 
● 医療経済学 
● 医療管理と計画 
● 検証に基づいた診療 
● 人口統計学

公衆衛生の醍醐味

では、公衆衛生を研究するとどの様なメリットがその研究者あるいは臨床家にもたらされるのでしょうか?

通常、臨床医は疾患を治しますから、先ず疾患ありきです。病気がないと何も始まりません。多くの病気は、人々に、痛みや不快感、機能不全といった「困りごと」をもたらし、その困りごとをを何とかしてくれないかと、解決できそうな人にすがります。通常すがられる人は医療関係者で、その中でも先生と呼ばれる人たちです。先生は自分の知っている知識や技能を使って、何とかその人達の困りごとを解決しようとします。場合によって、困りごとの解決の結果と、患者やその家族が期待していたこととが、大きく違いがあることがありますが、どの様な場合でもそれなりに先生は最善を尽くします。そして、結果はどうで
あれ、先生のした仕事に対し診療報酬が支払われます。ところが、そのような困りごとがない場合はどうなるでしょうか?先生は、暇なので、困りごとを探す行為をします。検診を行ったり、今までのデータの見直しをしたりします。そして、今は困ってないけど、この先困りそうな人を見つけて、脅かしをします。脅かしというと、語弊があるように聞こえますが、科学的に説明しているようで、心理学的なテクニックとしては脅かしです。たとえば「このままたばこを吸い続けると肺ガンになる確率は すわない人の   %ですから、今すぐたばこをやめましょう。」などです。これらの過程を、冷ややかな言葉で表現しましたが、実はこれが真実なのです。診断治療過程に時間がかかりすぎると、この患者教育のような予防的なことになかなか手が回らないといった現実があります。

Principles of dental public healthには以下のようにかかれています。

http://www.geocities.jp/newpublichealthmovement/pDPH.html

以前より、歯科という医療は個人開業医による高品質な修復治療が主体であるとみなされており、歯科医師にとって公衆衛生は、目新しい科目である。しかし、歯科医師は必然的にその公衆衛生という科目に向かって進むことになる。

以下は気が狂いそうな日本語です。もう少し何とかなりませんか?

歯科疾病のほとんど世界的な普及*1は、動かしがたい事実であるのだ。人々の平等の権利の原則*2が、真剣に採用された国では、全ての専門家が、母集団の大部分に必要な処置を除外し、特権階級のために、入念な処置に全ての注意を集中させる事は、不可能であった。

*1 疾病の「世界的普及」の公衆衛生的意味については、○章を参照
*2 「人々の平等の権利の原則」の歴史的背景については、x章を参照

○章

かくかくしかじか

x章

kakukakushikajika

歯科治療を全ての母集団にもたらす上での問題は、平均的な歯科医師にとって新しく挑戦しがいのある方法と構想を孕んでいる。必要な修復処置を全て行うためには、人的資源が明らかに不十分である地域において、予防は、新しい目的を帯びる。処置の範囲を大規模な母集団に広げて、また、良質な仕事でかつ処置の単価を押さえるには、共同作業が必要となる。集団的資金調達が、低所得者層における患者の援助のために行われなければいけない。現在の、全ての公衆衛生的方法の試験は、「個人的処置を受ける余裕の無い人にとって、それは、どれほどの価値があるのか?」である。これは歯科医師が突入するには実りの多い新しい分野である。これは、歯科医師を、地域を住み良くする際の原動力である社会計画官と防疫官と共に活動する人にする。
P4

もし、僅かでも重要な類似点を心に確信したなら、公衆衛生の考え方を取り込むために、個人開業医の考え方を拡張する事は、易しい。術者がいる。公衆衛生隊は、白衣を纏うのではなくて、様々に装い、様々な技能を有する。患者がいる。治療に不満のあるのではなくて、多くの人々からなる地域がある。ある人は不満を持ち、ある人は隠れた疾病を持ち、ある人は完全に健康なのである。地域を調査し評価する事は、診断に相当する。実際の保健教育と処置の方法は、個人診療所とわずかに異なるのみで、また、基本原則は変わらない。社会は、個人から構成されているのである。

人類の健康を守るための組織的努力である公衆衛生は、何世紀にも渡る水準の成果であり、おそらく、親による薬の躾と同じくらいに古い。記録の残る最古の保健規範は、新約聖書の一巻の、ヘブル人への手紙のモーセの律法にあるものである。感染性疾患の隔離症例は、ここより始まった。飲食規則が記され、いくつかは現代人には、気紛れのように見えるが、多くは、感染性疾患の管理に、すぐ分かるほどに有用である。ここには、社会を守るための、強力な行動がある。

エール大学の故Charles-Edward A. Winslowは、私たちに、「組織的地域努力を通した、疾病予防のための、延命のための、身体と精神の効率的な促進のための、技術と科学」という、公衆衛生の素晴らしい定義を残した。この文章において重要な概念は 、最後の言葉である組織的地域努力に含まれている。もはや、個人の患者は、研究の唯一の対象ではなく、いまや、地域全体が焦点であるのだ。これは、全ての重症度の疾患の患者や、絶命まで無症状な患者、そして、疾患が生じる事で、左側の故障する人だけではなく、疾患に対する耐性と感受性の両方を備える健康な人々も、含む。健康の現代的概念の明確な性質は、世界保健機構の設立において、上手に宣言されている。「健康とは、単に疾患や虚弱でないというだけではなく、身体的、精神的、社会生活的に完全な状態のことである」

歯科疾患を公衆衛生的にあつかえるのでしょうか?

歯科疾患を公衆衛生的にあつかえるのでしょうか?実は、ある疾病が公衆衛生的疾病であるかどうかを判定するための簡便なツールが開発されており、以下の4つのパラメーターを変数とします。

1.その疾病の有病割合
2. その疾病の個人への影響
3.社会への影響
4.その疾病が予防可能であるか、効果的な治療は存在しているか

(Sheiham 1996)

第1の基準は、疾病の有病割合に関連し、突き詰めると、疾病は広範囲であるのか? 誰が有病しているのか? 集団における有病割合は? 地域内における疾病の分布は? 疾病の有病割合の増減傾向は? ということです。

第二の基準は、個人への疾病の影響に関連する。 疾病による患者への影響の重篤度は? 例えば、死に至る病なのか? 痛みや、不快さ、機能低下は? 患者は、通常の社会生活を営めるのか? 休学や休職の原因となるのか?

第三の基準は、社会全体への影響に関連します。その疾病の処置のための医療費は、どれほどか? 処置や対処のための、会社を休む時間は、どれくらいか? その疾病は、経済動向と国家の生産性 に、どのような影響を及ぼすのか? Figure 1.1は、口腔疾病の個人と社会におよぼす影響をまとめたものである。

最後に、疾病の予防と処置の可能性を考慮することが重要です。 疾患の自然史は完全に理解されているのか? 疾患は早期に発見できるのか? もしできるなら、疾患の進行を停止しうる介入はあるのか? もし進行するのなら、効果的な治療は、あるのか?

この節では、なぜこれらが公衆衛生的疾病の基準となるのこあ、そして歯科が、これらの基準でどのように判定されるのかについて、考えてみましょう。...みたいな

[principles of dental public healthより転載]
前世紀より、その専門性は、個人開業医による高品質な修復治療である歯科医師にとって、公衆衛生は比較的新しい科目である。しかし、それは、歯科医師が必然的に向かう事となる科目である。歯科疾病のほとんど世界的な普及は、動かしがたい事実であるのだ。

[essential dental public healthより転載]
医療制度の需要は、それらに見合う資源よりも、いつも多いということは、今では広く認識されています。これは、資源が極めて限られている開発途上国だけの課題ではありません。USやGermany、UKといった豊かな国も、需要の増加と医療費の高騰という、似たような問題に直面しています。

例えば、USAの医療費用は、1929年にはGDPの3.6%でしたが、1995年には13.6%へ拡大しており、これからの数十年で20%に達するという予測があります(Burt and Eklund 1999) 。UKでは近年、一般歯科医療の費用は、増加し続けています。1977/78年には、費用は15億2800万£であったが、10年間で6倍に増加しています(Dental Practice Board 1998) 。

DISCUSSION POINTS 
医療制度の需要が増加する原因は何でしょう? この需要を管理する方法はあるのでしょうか? 

増大する需要と限りある資源への対策の1つは、特定の疾病に資源を優先することです。しかし、どれが重要な疾病であると考えられるのでしょうか? この判断には、公衆衛生の原理が大きく寄与します。Box 1.3は、疾病の重要性を決定するために利用される、公衆衛生の基準です (Sheiham 1996) 。

Box 1.3 公衆衛生的疾病の判断基準 
● その疾病の有病割合 
● その疾病の個人への影響 
● 社会への影響 
● その疾病が予防可能であるか、効果的な治療は存在しているか 

第一の基準は、疾病の有病割合に関連し、突き詰めると、疾病は広範囲であるのか? 誰が有病しているのか? 集団における有病割合は? 地域内における疾病の分布は? 疾病の有病割合の増減傾向は? ということです。

第二の基準は、個人への疾病の影響に関連する。 疾病による患者への影響の重篤度は? 例えば、死に至る病なのか? 痛みや、不快さ、機能低下は? 患者は、通常の社会生活を営めるのか? 休学や休職の原因となるのか?

第三の基準は、社会全体への影響に関連します。その疾病の処置のための医療費は、どれほどか? 処置や対処のための、会社を休む時間は、どれくらいか? その疾病は、経済動向と国家の生産性 に、どのような影響を及ぼすのか? Figure 1.1は、口腔疾病の個人と社会におよぼす影響をまとめたものである。

最後に、疾病の予防と処置の可能性を考慮することが重要です。 疾患の自然史は完全に理解されているのか? 疾患は早期に発見できるのか? もしできるなら、疾患の進行を停止しうる介入はあるのか? もし進行するのなら、効果的な治療は、あるのか?

Fig. 1.1 口腔疾病の影響
個人 機能制限、疼痛/不快感、不眠、治療費用、不安/心配、自尊心、 審美、医療に伴う時間 
社会 社会的孤立、勤務への影響、社会的な魅力、就学への影響 
地域 NHSの費用、教育効率、労働による生産性の減少 
DISCUSSION POINTS 
上記の判断基準を、齲蝕、歯周疾患、不正咬合に適用しましょう。これらの口腔疾病が歯科公衆衛生的な疾病となりますか?その理由を説明してください。

[以下Maxey-Rosenau Public Health and Preventive Medicine: 13th Edition (1992) http://www.geocities.jp/newpublichealthmovement/62dentalpublichealth.html より引用]

口腔の疾病は、いくつかの理由により、公衆衛生や予防歯科が重要であると考えられています。第1に、口腔の疾病は、ほぼ世界的に疾病が蔓延しています。口腔疾病にただの一度も発生していない人はまれであり、多くの人々は、人生に何度かは口腔疾病を発生します。 第2に、多くの口腔疾病は、多くの疾病がそうであるように、治療なしには、緩解や治癒がなく、進行の蓄積により、最終的には、歯の喪失をもたらされます。第3に、口腔疾病は、通常、高度で、高価な、時間のかかる専門的な治療を必要です。第4に、口腔の疾病が、公衆衛生的に重要であるのは、大部分が予防できるためです。歯科学は、豊富な調査とその成果を通して、大部分の口腔疾病、とりわけ齲蝕と歯周疾病の予防と管理において、広大で健全な科学を、想い通りに利用できるのです。利用可能な地域的、個人的戦略は、もし完全に施行され維持されたなら、齲蝕と歯周疾病を社会的な課題とならない水準にまで、減少されるのです。

健康は、その人個人の課題ではない

医療は、犠牲者非難手法に依存しても、しかたないんでしょ? ここは少しわかりにくい

[以下、http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/030608VB.htmlより転載]
犠牲者非難とはvictim blaming の訳語で「その人の不幸を自業自得であると非難する」という言語行為をさします。

「肺ガンになったのは、おまえがタバコを吸っていたからだ」 、「性病になったのは、遊びすぎたんじゃない?」 という構図をもつ責任追及の論理で、病気になった「犠牲者」を結果的に非難することです。

病気になるのは、本人が悪いのだ、というのは一見まっとうに見えますが、風邪にかからないように気をつけてもかかる場合があります。タバコを吸わなくても肺ガンになりますし、通常の性行為でも性病になることがあります。病気になるのは君の遺伝子のせいであっても、遺伝子の持ち主である君を責めるのは、どこか変です。

このタイプの非難の最大の問題は、病気になる原因には、個人の行動から社会による傷害までさまざまな次元があり、犠牲者非難は、そのような多様な病気の原因を、個人の道徳レベルに還元して(いわゆる「すり替えて」)しまうことです。

[以下、essential dental public healthより転載]
個人の生活様式の変容に焦点を絞ることは、効果はないし、費用がかかります (Syme 1996) 。 このような手法は、真の原因から注意をそらします (Sheiham 2000) 。 生活様式は自由に選べて、誰でも容易に変えられるという思い込みは、正しくありません。健康の知識や自覚は、変容のための資源や機会が存在しない場合は、ほとんど価値がないのです。行動様式は、生活の社会的経済的環境的状況により、絡めとられています (Graham 1999) 。 それゆえ、個人の行動は、生活の状況により、大体決定されてるのです (Sheiham 2000) 。

生活様式の変容にのみ焦点を絞ることは、効果がなく、健康格差を拡大する ‘犠牲者非難’ 手法であると、考えられています (Schou and Wight 1994) 。

上流は、一部の人が目指せばいいんでしょ?ここは少しわかりにくい

[essential dental public healthより転載]
上流と下流という寓話があります。

上流と下流! 

ふと、流れの速い川の岸に立っていると、溺れている人の叫び声が聞こえてきました。 

そこで、私は川に飛び込み、彼に手を差し伸べ、岸まであげて、人工呼吸を施しました。 

溺れた人が、息を吹き返すと、また助けを求める叫び声が聞こえてきました。 

仕方なしに、私は川に飛び込み、彼に手を差し伸べ、岸まであげて、人工呼吸を施しました。溺れた人が、息を吹き返すと、また助けを求める叫び声が聞こえてきました。 

もう選択肢はありません。私は川に飛び込み、この繰り返しは、果てしなく続きました。 

私は、川に飛び込み、彼らを岸にあげて、人工呼吸を施すだけで、精一杯でした。


分かってください。

私には、上流に分け入って、どんな地獄が彼らを川に落としているのかを確認する時間なんてなかったのです。

この上流への取り組みは、健康づくりのためのオタワ憲章では「医療の再設定」としてクローズアップされています。

[以下オタワ憲章より転載]
医療事業の再設定: 治療や臨床事業を存続させる責任から離れ、健康づくりの目標に向かって、焦点を絞りなさい。

[以下essential dental public healthより転載]
医療の再設定

医療事業における健康づくりの義務は、多くの医療専門家や、さまざまな水準の医療対処に分かち合われます。 全ての人々は、健康の追求に積極的に貢献する医療制度に向かって、ともに活動すべきです。資源を、そびえたつ治療や治癒的事業から、健康づくりや疾病予防へ変更する必要があります。

健康づくりへの再設定は、医療の多くの面の変更を必要とします。 医療専門家の訓練と教育は、予防と健康づくりを支える学科を強調するよう、変更される必要があります。資金調達機序は、効果的な予防のため歯科医師に働きかけ、また報いることが必要であり、研究活動は、健康づくり計画に高い優先順位を付けるべきなのです。

衛生や保健や健康はどのように、人類に貢献しているのであろうか?

歯科医療は、1970年代の先進国における齲蝕水準の3%の減少を説明した一方で、広範な社会経済的因子とフッ化物歯磨剤の有効性は65%の貢献であった(Nadanovsky and Sheiham 1994, 1995)。

これだけ医療が発達すれば、公衆衛生は必要ないという理論があるが、果たして正しいのであろうか?

たとえ、すべての疾病を治療するだけの資源があったとしても、医療は新たなる疾病の発生には影響をもたらさないため、医療の発達は人々の健康には寄与しません。
(Essential dental public healthのForewordより)

この単純な事実を理解するには、「人々の健康は、医療以外の部分でおおむね決定されている」ことを明らかにしたラロンド報告にさかのぼるのが近道でしょう...みたいな

歯科には、個人の自己努力に頼る予防しかないのであろうか?

歯科疾病の発生は、個人的要因では一部の説明にとどまるため、自己努力による歯科疾病の予防には、限界があることが示唆されています。

マルチレベル分析の話を入れて、個人行動では説明できない疾病の発生要因が存在している事を示す...とか

歯科疾病が減れば、それで十分なの? (歯科疾患が減少すると言うことは、何を意味するのであろうか)

どうして、(自主性のない)子供のうちから、対象になるの? わかりにくい

ヘルスプロモーションの場は診療室のみであろうか?

Trends編

[なんか順番とかは、うまくないのですが、とりあえず、盛り込みたい話を列挙しておきます。疫学の本ではない、と思っているので、公衆衛生的側面から、Trendsをとらえる方法としての疫学とか、介入について評価する方法としての疫学とか、そういう感じで、所々に、必要な疫学のエッセンスが顔を出すような感じをイメージしています。(南出)]

なぜTrendsが重要なのか?

Trendsを扱うには何が必要なのか?

[ここまでに、疾病である/ないを2分する際の難しさ(健康と疾病の分別の難しさとか)については、ある程度説明してあると、いいかも]

サンプリングとは?

疾病の分布表示の種類(ヒストグラムとか疾病地図とか)

代表値や要約指標(正規分布には平均値と分散による要約、正規分布が確認できなければパーセンタイル値による要約でなければ要約として機能しないことの説明とか)周りの道具

発生率と有病割合の説明(疫学事典で罹病率や罹患率が不適切用語指定されている理由とか)

その他、歯科公衆衛生に必要な疫学的説明など

歯科疫学

歯科疾病の指標

DMFTが出てきた経緯(米国におけるう蝕の予防とコントロールのためのフッ化物応用に関する推奨P74)とか、さまざまな指標の種類とか、特徴(長所・短所)とか、

どうして、歯科疾病の発生は下がり続けてるの?(???)

歯科疾病の発生は二極化している?

歯科疾病の発生は二極化(polarize)しているとする文献もありまが、疾病の発生は、発生率が大きい場合は正規分布を描き、発生率が小さくなるにつれ、中央値が左に移動し、勾配(gradient)を描きます。

歯科疾病の本数別の分布を示すグラフとか...

[以下、status syndromeより転載]
多くの疾病は、社会的経済的地位(socio-economic status)と発生率に相関が認められるため、この勾配は社会的勾配(socialo gradient)と呼ばれます。

いかなる戦略をもって、公衆衛生とするのか?

二極化した疾患には低辺を支えるハイリスクアプローチの方が適しているか?

[essential dental public healthのforewardより http://www.geocities.jp/newpublichealthmovement/eDPH.html]

医療制度は、私たちの反応をニーズの認知として具象化する。歯科的な思考は, 歯科医師の定義する個人のニーズと強い関係がある。これは、歯科倫理(歯科疾病の責任)、疑問の調査( ‘なぜ個人は齲蝕を進行させるのか?’ )、そして医療計画を形作る。この思考は、リスクの同定と疾病予防に拡張される。高度な齲蝕リスクを有する個人を同定しようと試みることと、それらへ努力を尽くすことである。 この手法は、脆弱な少数民族への援助、 健康格差の緩和を狙う。このような視点は、人道的文脈において賞賛されるが、人生を通して進行、発生する、齲蝕のような多量な疾病の問題を解決する事はできない。戦略は徴候とはなるが、急進的とはならない。それは、齲蝕の主たる決定要因を攻撃しない。私たちが特に助けたい人々は、リスクと行動の全体に分布している。だから、効果的な予防には、母集団全体の変化が必要である。 母集団への急進的な戦略は、歯科衛生上の主たる課題の原因の根本にある原因を同定し、可及的に改善する事である。

intervention編

公衆衛生は、集団や社会を眺めて、課題を発見するだけにはとどまりません。集団や社会に介入することで、その課題に取り組むことも公衆衛生の重要な側面です。

介入とはなにか?

研究のデザイン,実験計画法とはなにか?

二重ブラインド無作為化対照試験は、何がすぐれているのか?

health promotion編

ヘルスプロモーションとはどういう考え方か?

行動変容って、公衆衛生上の実際上どうなの?  ????

健康教育って、公衆衛生上、どんな実績があるの?

う蝕の公衆衛生

「方法論methodology」という用語は、疫学事典dictionary of emidemiologyにて、「多くの著者はmethodというべきところでmethodologyと表現してしまう」としており、南出も同感なので、(方法論)という表現には、抵抗があります。

歯周病の公衆衛生

口内がんの公衆衛生

[Textbook of Public Healthより転載 http://www.geocities.jp/newpublichealthmovement/98dentalpublichealth.html]

口内癌の約90%が、扁平上皮癌である。それらは、口内の、口唇、舌、歯肉、口内底、その他に生じる。しばしば、部位は、原因因子に関係している。病変は、腫脹、潰瘍、発赤、白斑を表し、多くは大きくなるまで痛みを生じない。注目すべきは、発見したときの疾病のステージが生存率に関係していることである。5年生存率は、50%以下である。

 腫瘍になる前の病変の多くにおいて、悪性腫瘍への変化が見られる。前癌病変は原因不明の白板症、赤板症として表れる。悪性への変化は、頻繁ではないが、扁平苔癬と増殖性のカンジダ症においてもみられる。

 口内癌の発生率は、国家間、国内においても大きな差がある。England、Walesでは、発生率は、癌全体の発生の約1%にあたる10万人に4.5人である(OPCS 1994)。最も高い発生率が報告されているのはIndia and Sri Lankaで、口内が最も癌が多発する部位であり、全癌の40%にもなる(Parkin et al. 1992)。喫煙の影響とは関係なく、ほとんど全ての母集団において、男性は女性よりも癌の感受性が高い(Muscat et al. 1996)。

 口内癌の発症率のばらつきは、ほとんどが3大リスク因子への暴露のばらつきにより説明される。下口唇の癌は日光への暴露に強く関連し、白い肌の人々においては特に顕著である(Lindquist and Teppo 1978)。煙草でも噛み煙草でも、口内の癌を発症しやすくする。South Asiansにおける口内癌の高い発症率の原因は、檳榔の実の噛み煙草の喫煙で説明できる(Johnson and Warnakalasuriya 1993)。喫煙期間と吸った煙草の種類には、用量反応関係がある。アルコールは独立した原因因子で、なおかつ喫煙と相乗効果がある(Rothman and Keller 1972; Blot 1992)。

 口内癌は、主に高齢者の疾病であるので、特に開発途上国における人口構造の変化により、疾病の発症数が増加して見える(Swango 1996)。しかし、先進国における年齢特異的な発生率は、比較的安定している。いくつかの国々における喫煙の減少とアルコール消費量の減少は明らかに、これらの癌の負担をかなり減少させる可能性がある(Macfarlane et al. 1996)。

 口内癌においては早期治療が生命に影響し、そして多くの症例は前癌病変から進行するので、疾病抑制の方法として、早期発見が強く勧められる(Platz et al. 1986; Hindle and Nally 1991; Speight et al. 1993)。疾病の有病割合は低いが、口内癌の検査は、十分な妥当性を有していると思われる。職域における口内癌の検査は非常に重要である。 (Downer1997)

外傷予防の公衆衛生

[Oxford Textbook of Public Healthより転載 http://www.geocities.jp/newpublichealthmovement/98dentalpublichealth.html]
歯の外傷は頻度が高く、歯や歯槽骨の破折、完全な脱落を含む歯そのものの移動により生じる。多くの場合、歯の長期間の生存が脅かされる。前歯や外から見える歯がしばしば巻き込まれるので、外観が台無しとなる。 英国の10代の約4人に1人は外傷により永久歯に損傷がある(Todd and Dodd 1985)。 発生率が高いのは、歩くことを覚えたての幼児と、自転車やスケートボードを利用する学童である (Gelbier 1967)。 接触する機会のある運動やその他の激しい運動をする10代や成人も危険である(Federation Dentaire Internationale 1990)。子供の歯の外傷のリスクは、上顎の歯が下顎の歯の前に出ている距離(overjet) に関連している(Todd and Dodd 1985)。 第一次予防はアメフト、ラグビー、フットボール、ホッケー、ボクシングのような接触する機会の多い運動の間は、マウスガードを装着することである。可能ならば、子供が遊ぶ場所では、床や壁にクッション性のある素材を使うべきである。

 第二次予防の面では、外傷を受けた歯が重要となる。 乳歯の外傷の後に炎症が生じると、乳歯の下で成長している永久歯を脅かすので、炎症が生じていないか外傷を受けた乳歯の経過観察することが必要である。永久歯においては、接着性材料の充填が感染の可能性のある破折した歯を守るために使われ、未完成歯の歯根の成長継続のためには水酸化カルシウム包帯が使われる。しかし二次予防で最も重要なことは、強打された歯の応急手当である。

 脱離した歯は、窩に戻される(Andreasen and Andreasen 1994)。 脱離した歯の長期の生存率は高いが特に、歯が乾燥しない30分以内に戻された場合、歯が一時的に等張な媒体(例えば牛乳)中で保存されている場合、歯周靭帯が物理的・科学的清掃により損傷していない場合、そして口内内で1週間半可動式スプリントにより固定された場合に、生存率は最高となる。抗生物質の全身投与と破傷風予防処置が必要となる。

 この第二次予防介入の効果は、2つの公衆衛生上の意味がある。 運動選手とその教育者、指導者へこれらの原則を伝えることで、顎顔面の外傷の影響を軽減できる。 緊急処置のニーズは、熟練した緊急時の歯科医療がどこであれ可能な限り利用できるべきである、ということを意味する。 不運にも、顎顔面の外傷は、診療時間に生じるとは限らないのである。

Q&A活動編

地域

地域ではどのような人たちが活動してるのであろうか?

地域ではどんな活動をすることが、正しいのであろうか

活動の計画は、実際にどのように作られているのであろうか?

活動の結果は、どの様な結果であろうか?

活動は、どのように評価されているの?

国内

国内の公衆衛生はどのような枠組みになっているの?

日本における、社会保険、公的扶助、公衆衛生、社会福祉といった社会保障制度について

公衆衛生と医療制度の枠組みについて

健康の社会的決定要因を考慮すると、健康に関与するのは、社会保障制度のみにとどまらないことについて

国内のさまざまな団体について

歯科医師会とか、スタディーグループとか、日Fみたいな団体とかの概説

国際

国際的に活動している団体ってどんなのがあるの?

国際連合とか、WHOとかユニセフとか...

人権と健康権関連

公衆衛生と人権は、相容れないものなの?

[以下、Oxford Textbook of Public Healthより転載]
人権の妥当な限界

人権に付随する重要性にも関わらず、さまざまな公益を達成するため、法律により制限されている権利がある。市民的および政治的権利に関する国際規約にあるように、公益は‘他人の権利と自由の評価と尊重の確保、道徳、治安、一般の福祉の要求の満足、国家の死活的な利益への脅威という緊急時’に優先する(ICCPR第4条)。公衆衛生はそのような公益の一つである。 (公衆衛生における権利を制限する特定の権限は、ICESCRの第12(c)条に由来している。この項目は、政府に‘局地的流行、地域的流行、職業病、その他の疾病の予防、治療、管理’に必要と思われる段階を踏む権利を与えている。) 従来の公衆衛生施策は一般に、感染した人々、あるいは感染に対して脆弱であると考えられる人々の権利を制限することで、疾病の流行の抑制を計る。 実際に、圧政、強制、拘束は歴史的に公衆衛生施策の重要な構成要素である(Smith 1911; Schmidt 1995; Cohen 1998)。公衆衛生の文脈で生じる権利の制限は、一般に第一の関心事として、公衆の健康を保護してきているが、施策がしばしば度を超えるのも事実である。 エボラ出血熱、梅毒、腸チフス、未治療の結核といった重大な感染性疾病のための検疫や隔離の際の、移動の自由の妨害は、公益のために必要な権利の制限の一例であり、国際人権法の下に合法であると考えられている。 反対に、その他の妥当な代案を考慮しない公衆衛生当局による気まぐれな方策は、人権の原理と公衆衛生の‘最良実施’の両方の乱用にあたる。 近代において、HIV/AIDSに応えて世界で採られた方策は、この種の乱用の代表である(Cohen and Wiseberg 1990; UN 1992a, 1994; HRI 1998)。

ある権利は絶対的である。つまりある権利は、たとえ公益上必要であるとされても、決して制限されない。 これらは、拷問、奴隷、強制労働から自由である権利、公正な裁判をうける権利、思想の自由の権利からなる。 (例えばICCPRの第4条は、‘第6,7,8(1,2段落),11,15,16,18条には特例がない’としている。) 逆説的であるが、生きる権利は、一見して奪うことができないように思われるが、絶対的なものではない。自由裁量による生活の剥奪は禁じられている。公衆衛生に関連のある状況で、限られた環境であれば、権利の侵害は、合法的で正当であるとされている。(例えばICCPRの第4条では、‘国民の生存を脅かす公の緊急事態の場合においてその緊急事態の存在が公式に宣言されているときは、この規約の締約国は、事態の緊急性が真に必要とする限度において、この規約に基づく義務に違反する措置をとることができる。ただし、その措置は、当該締約国が国際法に基づき負う他の義務に抵触してはならず、また、人種、皮膚の色、性、言語、宗教又は社会的出身のみを理由とする差別を含んではならない’としている。)
[外務省よりhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/2c_003.html]

公益の重要性は明白であるものの、権利の限界は、国際人権法の下に重大な課題であると考えられている。 政府が権利の行使や享受を制限する場合、それは最期の手段でなければいけないし、また以下の基準を満たす場合に限り合法的であると考えられる(UNECOSOC 1985)。

1. 制限は、法律に従った上で実施される。

2. 制限は、一般的利益の法的目的の利益のために実施される。

3. 制限は、目的を達成する民主的社会において厳密に必要である場合に、実施される。

4. 同じ目的を達成するために、より煩わしさと制限の少ない方法がない。

5. 制限は自己最良による押しつけではない。すなわち、適切ではない、あるいは差別的な方法ではない。

この、イタリアのシラクサの会議で概念化されたため、シラクサ方式と呼ばれる手法は、政府の活動の分析に関係のある人権監視と履行に関係する人々に、知られていたが、最近になり、政府の健康についての政策と計画に責任のある人々に、数多くの現場で有用な手段であると考えられるようになってきている(WHO/UNAIDS 1999)。 この枠組みは、今なお基本であるが、故意であろうと無意図であろうと、不正な公衆衛生活動の確認に有用である。

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